えいごTOPICS Vol.04

「目標をもつ」「チャレンジする」「ふり返る」を1セットにしたサイクルを上手に活用すると、子どもたちが英語学習を楽しく続けることができます。そのサイクルについて関西大学の竹内先生にお話を伺いました。

目標をもつ

目標をもつことは学習の動機づけに欠かせません。やる気が起きない時には、何か目標をもってみると良いでしょう。目標は、頑張れば達成でき、成功体験につながるものを設定することが大切です。「やればできる」という成功体験を積みながら、少しずつ目標を高くしていきましょう。また、お子さん自身が楽しいと思える目標を見つけ、自分で設定していくことも大切です。最初から一人で目標を考えることは難しい場合もありますので、色々な選択肢の中から“選ぶ”ことができるように、情報や機会を与えてあげるといったおうちの方の手助けがあると良いですね。

チャレンジする

英語を使うには、知識はもちろん技能の側面も大切。知っているだけでは使えるようになりません。子どもたちが英語を使う経験をするためには、はじめは使う場面を大人が用意してあげる必要があります。English Immersion Hour*1のようなイベントは英語を使ってみるには良い機会です。また「英語を使う」とは会話だけを想像しがちですが、本を読んだり何かを書いたりすることも使う機会です。また、英検®やTOEFL®といった外部テストにチャレンジすることで、英語を使うための力がどれだけ伸びたのかを知ることができます。

新しいことへのチャレンジに不安を感じるお子さんもいます。失敗した時のことを想像してしまうせいかもしれません。ただ、うまくいかない時は、本人の能力のせいではなく、やり方がわからないか、計画の立て方に問題があるといったケースがほとんどです。やり方や計画の立て方を変えるだけでできるようになる可能性があります。そう考えると少し気分が楽になるのではないでしょうか?一緒にチャレンジする仲間の存在やおうちの方のサポートも安心材料になります。

*1/KUMONで英語を学習中の生徒を対象に実施されている、英語でのコミュニケーションにチャレンジできるオンラインイベント。→詳しくはこちら

ふり返る

チャレンジしたことについて、ふり返ると、次の学習で意識するとよいことが自然と見えてきます。 “できなかったこと”ではなく、“できたこと”や“もう少しでできそうだったところ”といった前向きな場面を特に思い出すようにすると、やる気や成果につながりやすくなります。また、「できた」だけでなく「〇〇ができた」と少し具体的にふり返りましょう。ふり返ったことは声に出す、ノートに書くなど言語化するとふり返りの質が向上します。やり方がわからない時には「お母さん・お父さんはこう思うのだけれど」と例を見せてあげることも有効です。しかし親の意向に誘導しすぎないように注意が必要です。前に解いた教材を見直すだけでもふり返りになります。

「目標をもつ」「チャンレジをする」「ふり返る」というサイクルを循環させながら学び、その過程で得られる達成感や、「やればできる」という気持ちを大切にしていくと、学習を続けやすく楽しいものにすることができます。英語はこのサイクルを経験するのにとても適した教科です。子どもたちが決めた目標に向かってチャレンジする経験と達成感を、お子さんと一緒に味わってみてはいかがでしょうか。

■竹内 理先生 プロフィール

関西大学 外国語学部 学部長・教授

神戸市外国語大学大学院外国語学研究科(英語学)を修了後、フルブライト奨学金で留学。米国モントレー大学院(英語教育学)を首席で修了。帰国後、同志社女子大学助教授などを経て、現職。専門分野は、英語教育学(学習方略・動機づけ・学習者要因)と外国語教育におけるメディアの利用。博士(学校教育学)