えいごTOPICS Vol.08

英語学習の成長を色々な側面から実感してみましょう。

英語学習での成長を実感するには?

算数や国語の学習では、かけ算ができるようになった、漢字が書けるようになったなど、成長がわかりやすいですが、英語学習での成長は少々実感しづらいかもしれません。お子さんが英語を話していれば、「英語ができるようになったんだな」と思えるかもしれませんが、日常ではそういった場面は多くはありません。何より語学は、積み重ねを経て少しずつ力が伸びていくので、大きな成長が見えづらいです。しかし、本人が成長を実感することは、モチベーションの維持にもとても大切ですので、お子さんと一緒に成長を実感できるような方法を色々な側面から考えてみませんか。

お子さんが英語学習での成長を実感するために、学校やKUMON以外でも英語に触れさせてあげることは一つのよい方法です。例えば、英語の本を読んでみたり、英語の歌を聴いてみたり、お子さんの興味のあることを英語で体験させてみたりすると、これまでの学習の成果をきっと感じられることがあると思います。興味のあることに英語で触れてみて、「わかった!」という経験をすると、お子さん自身もコツコツと続けてきた成果が実感でき、モチベーションが上がるかもしれません。

アウトプットの機会を増やしてみましょう

お子さんと英語でやりとりしてみることも成長実感につながります。例えば「今日、KUMONでどんな英語を学習したの?教えて?」と聞いてみる。そうすると「What color do you like?」など習った文章を教えてくれます。「すごいね、上手だね」とほめることもとても良いですが、「I like pink.」など保護者の方も英語で答えてやりとりをしてみるのはいかがでしょうか。きっとお子さんは保護者の方と「英語で話した」と嬉しく感じるはずですし、自分の習った英語が使えたことで自信にもつながっていきます。

英語以外の面でも成長があります

学習を続けていくことで、英語はもちろんですが、目に見えない部分も同時に成長をしていきます。知らない表現に触れた時は、「これはこういう意味かな?」と考える推察力、集中して聞き、発音するときは記憶力などが養われています。また英語の学習では、自分のことを話し、相手のことを聴き、コミュニケーションをとってお互いを理解していくことが大事です。相手を理解しようとする気持ちは、自分の心の中に垣根を作らない、寛容な心の成長にもつながっていきます。少しずつ、着実に成長を重ねているお子さんをゆっくり見守っていきたいですね。

■佐藤久美子(さとう くみこ)先生プロフィール

玉川大学大学院教育学研究科(教職専攻)名誉教授

◇専門は英語教育、言語学。◇小・中・高校生への英語学習方法、未就学児への英語習得に向けた効果的な活動に向けた講演会やプロデュース活動を行う。◇2007年度より町田市教育委員会の委託を受け小学校42校に小学校英語のカリキュラム配信、研修などを行う。◇2016年までNHKラジオ「基礎英語」講師。2012年度よりNHK教育テレビ「えいごであそぼ」「えいごであそぼwith Orton」の総合指導、2017年度より「エイゴビート」「エイゴビート2」の番組委員もつとめる。